DXオンライン営業とは?成果につながる進め方・施策・失敗回避まで徹底解説

DXオンライン営業とは?成果につながる進め方・施策・失敗回避まで徹底解説

BtoB営業の現場では、訪問中心のやり方だけでは商談数や営業生産性を伸ばしにくくなっています。一方で、Web会議ツールを導入しただけでは、期待した成果につながらない企業も少なくありません。そこで重要になるのが、単なるオンライン化ではなく、営業活動全体を再設計する視点としてのdxオンライン営業です。

dxオンライン営業とは、リード獲得から初回接点、商談、提案、受注後フォローまでの流れを、データとデジタルツールを活用して見直し、再現性のある営業体制へ変えていく取り組みを指します。つまり、営業担当者個人の力量に依存しすぎず、組織として成果を出しやすい状態をつくる考え方です。

特にBtoB企業では、顧客が営業に会う前に比較検討を進めることが一般的になり、初回接点の質やスピード、商談前後の情報管理、部門間連携の精度が受注率に直結しやすくなっています。そのため、オンライン商談の導入だけでなく、どの工程をオンライン化し、どの工程を標準化し、どのデータを蓄積して改善に生かすかまで設計することが欠かせません。

本記事では、dxオンライン営業の基本概念から、取り組むべき背景、見直すべき営業プロセス、導入の進め方5ステップ、施策、ツール選定、KPI設計、失敗回避までを体系的に解説します。自社の営業課題に照らしながら、どこから着手すべきかを判断できる内容として整理します。

dxオンライン営業とは何か

dxオンライン営業とは何か
dxオンライン営業とは何か

dxオンライン営業とは、営業活動の一部をオンラインに置き換えるだけでなく、営業プロセス全体をデータと仕組みで再設計する考え方です。重要なのは、訪問営業の代替手段としてWeb会議を使うことではありません。リード獲得の導線、初回接点の質、案件管理、提案の標準化、受注後フォローまでを一貫して見直し、再現性と生産性を高めることに本質があります。たとえば、問い合わせ後24時間以内にインサイドセールスが初回接触し、SFAに記録し、商談後は失注理由まで残す運用ができれば、個人依存ではない改善が可能になります。逆に、ZoomやTeamsを入れただけで記録も分析も行わない状態では、dxオンライン営業とは言いにくいでしょう。定義を誤ると、導入目的が「会える手段を増やすこと」にとどまり、成果改善につながりません。

DXとオンライン営業の違い

DXは業務や組織のあり方そのものを変える取り組みであり、オンライン営業は営業接点をデジタル化する手段の一つです。前者は変革、後者は施策と捉えると理解しやすくなります。たとえば、オンライン商談を実施していても、案件情報が担当者のメモにしか残らないなら、営業の見える化は進みません。DXの視点では、接点をオンライン化するだけでなく、情報共有や分析まで含めて設計します。

なぜ今BtoB営業で注目されるのか

背景には、顧客の比較検討が営業接触前に進むこと、移動時間を含む訪問効率の限界、営業人材不足などがあります。たとえば1日3件しか訪問できなかった営業が、初回面談をオンライン化することで5件以上対応できるケースもあります。ただし、すべての商談をオンラインにすればよいわけではなく、成果が出る工程を見極めることが前提です。

BtoB企業がdxオンライン営業に取り組むべき背景

BtoB企業がdxオンライン営業に取り組むべき背景
BtoB企業がdxオンライン営業に取り組むべき背景

BtoB営業でdxオンライン営業が求められるのは、市場環境と購買行動が変化し、従来の訪問中心モデルだけでは成果を最大化しにくくなっているためです。顧客は営業担当者と会う前に、Webサイト、比較記事、導入事例、セミナー動画などから必要な情報を集めます。その結果、営業の役割は「情報を届けること」から「顧客ごとの課題を整理し、意思決定を支援すること」へ移っています。営業現場でも、展示会名刺を一括で配るだけでは商談化しにくく、メール配信、電話、オンライン面談を組み合わせた継続接点が必要です。また、移動時間や属人的な案件管理が生産性を下げ、経営課題として可視化されやすくなりました。もっとも、すべての企業に同じ形が適するわけではありません。商材単価、意思決定者の数、既存顧客比率などに応じて、自社に必要な範囲を見極めることが重要です。

顧客の情報収集行動が変わった

今は問い合わせ前に比較検討が進みやすく、営業は初回接点の段階で一定の理解を前提に会話する必要があります。たとえば、製造業向けSaaSを検討する企業が、導入事例を3社分読み、料金体系も把握したうえで問い合わせることは珍しくありません。この段階で一般的な説明だけをすると、商談価値が下がります。

営業生産性の改善が経営課題になっている

訪問移動、記録の二重入力、案件状況の属人化は、売上だけでなく利益率にも影響します。営業10人の組織で、1人あたり1日1時間の移動削減ができれば、月単位では大きな稼働差になります。とはいえ、削減した時間を何に使うかを設計しなければ、単なる効率化で終わる点には注意が必要です。

dxオンライン営業で見直すべき営業プロセス

dxオンライン営業で見直すべき営業プロセス
dxオンライン営業で見直すべき営業プロセス

dxオンライン営業では、営業を商談場面だけで捉えず、リード獲得から受注後までの流れで見直す必要があります。具体的には、リード獲得、初回接点、商談、提案、フォロー、受注後のオンボーディングやアップセルまでを分解し、どこをオンライン化し、どこを標準化し、どこをデータ化するかを整理します。たとえば、資料請求後の初回ヒアリングはオンライン化しやすく、ヒアリング項目はテンプレート化できます。提案書は業界別の型を用意し、受注後は顧客情報をカスタマーサクセスへ自動連携すると、引き継ぎ漏れを防げます。ただし、すべてを一度に変えると現場負荷が高くなります。商談数不足が課題なら上流工程、受注率低下が課題なら提案や失注分析から着手するなど、ボトルネック起点で優先順位をつけることが重要です。

オンライン化しやすい工程

初回面談、定例フォロー、簡易デモ、問い合わせ対応などはオンライン化しやすい工程です。特に、30分前後で完結するヒアリングや状況確認は、移動を伴わない分だけ件数を増やしやすくなります。また、録画や議事メモの共有もしやすく、教育素材としても活用できます。

対面を残すべき工程の考え方

高額案件の最終提案、複数部門を巻き込む合意形成、重要顧客との関係構築などは対面が有効な場合があります。たとえば、数千万円規模の設備投資案件では、現場確認や役員同席の場面で対面の価値が高まります。対面を残す基準は、単価、意思決定の複雑さ、信頼形成の必要度で考えると判断しやすいでしょう。

優先順位の付け方

最優先は、売上への影響が大きく、かつ短期に改善しやすい工程です。具体的には、問い合わせ対応の遅れ、商談記録の未整備、失注理由の未分類などが該当します。まず1工程で成果を出し、その後に周辺工程へ広げる進め方が現実的です。

導入前に整理したい課題と目標設定

導入前に整理したい課題と目標設定
導入前に整理したい課題と目標設定

dxオンライン営業を成功させるには、導入前の課題整理と目標設定が欠かせません。ここが曖昧なままツール導入を進めると、現場では「入力項目が増えただけ」「会議ツールを入れただけ」という状態になりやすいからです。まずは現状の営業課題を、商談数不足、受注率低下、提案品質のばらつき、案件管理の属人化、既存顧客フォロー不足などに分けて把握します。たとえば、月間リード100件に対し商談化が10件しかないなら初回接点設計に課題があり、商談30件から受注2件なら提案や案件見極めに問題がある可能性があります。そのうえでKGIとKPIを設定し、何を改善したいのかを明確にします。目的が「DXを進めること」になってしまうと、判断軸がぶれやすいため注意が必要です。

よくある営業課題の分類

営業課題は大きく、量の課題と質の課題に分けられます。量の課題はリード数、接触件数、商談数の不足です。質の課題はヒアリング不足、提案の浅さ、失注分析の欠如、担当者ごとのばらつきです。さらに、管理面の課題として、案件進捗が見えない、過去履歴が残らない、マーケティングからの引き継ぎが曖昧といった問題もあります。

KGI・KPIの置き方

KGIは最終成果、KPIは途中経過の管理指標です。たとえばKGIを「半年後に新規受注件数を1.2倍にする」と置くなら、KPIは「商談化率」「提案化率」「受注率」「初回接触までの時間」などに分解できます。重要なのは、活動量だけでなく歩留まりを見ることです。件数だけを追うと、質の低い商談が増えて現場が疲弊する恐れがあります。

dxオンライン営業の進め方5ステップ

dxオンライン営業の進め方5ステップ
dxオンライン営業の進め方5ステップ

dxオンライン営業は、一気に全体導入するよりも、現状把握から設計、ツール整備、試行、定着化へと段階的に進めるほうが成功しやすくなります。特にBtoB営業では、営業部門だけでなく、マーケティング、情報システム、経営層の関与が必要になるため、役割分担を明確にすることが重要です。たとえば営業企画が業務要件を整理し、現場責任者が運用ルールを決め、情報システムが連携性や権限設計を支援する形です。また、最初から全拠点展開すると調整コストが膨らむため、1チームや1商材で試す進め方が現実的です。小さく始めて改善点を見つけ、成果が確認できた段階で広げることで、失敗リスクを抑えながら定着を進められます。

ステップ1 現状分析

まず、営業フロー、使用ツール、案件管理方法、部門連携、ボトルネックを可視化します。問い合わせから受注までの平均日数、商談化率、失注理由の有無などを確認すると、改善対象が見えやすくなります。現場ヒアリングも欠かせません。

ステップ2 業務設計

次に、どの工程を誰が担当し、何を記録し、どこで引き継ぐかを設計します。たとえば初回接点はインサイドセールス、提案以降はフィールドセールス、受注後はカスタマーサクセスへ連携するなど、役割を明確にします。入力項目は最小限から始めるのがポイントです。

ステップ3 ツール整備

設計した業務に合わせて、Web会議、SFA/CRM、MAなどを選定します。重要なのは多機能さより、必要な情報が一元管理できるか、現場が使えるかです。既存システムとの連携性も確認が必要です。

ステップ4 テスト運用

一部チームで1〜3か月程度試し、入力漏れ、商談化率、会議設定率、現場負荷を確認します。ここで運用ルールを細かく修正し、本格展開前に無理のある設計を取り除きます。

ステップ5 定着と改善

定着段階では、週次・月次で数字を確認し、成功事例を共有します。評価制度や会議体と連動させないと、運用が形骸化しやすいため注意が必要です。

成果を高める主な施策と活用シーン

成果を高める主な施策と活用シーン
成果を高める主な施策と活用シーン

dxオンライン営業で成果を高める施策としては、インサイドセールス、オンライン商談、MA、SFA/CRM活用、商談前後のデータ分析が代表的です。ただし、施策を増やすほど成果が出るわけではありません。自社の課題に対して、どの施策が最も効果に直結するかを見極めることが大切です。たとえば、展示会やWeb問い合わせはあるのに商談化しないなら、インサイドセールスの設計が有効です。商談件数はあるのに受注率が低いなら、失注理由の分析や提案テンプレート整備のほうが優先度は高いでしょう。また、マーケティングが獲得したリードを営業が十分活用できていない場合は、MAとSFA/CRMの連携が効果的です。まずは1〜2施策に絞り、成果が見えたら拡張する進め方が失敗しにくい判断基準になります。

インサイドセールスの活用

インサイドセールスは、見込み顧客への初回接点や商談化を担う役割です。たとえば、問い合わせ後すぐに30分のオンラインヒアリングを設定し、課題や導入時期を確認することで、営業担当者は提案可能性の高い案件に集中できます。訪問前提の営業より、対応スピードを上げやすい点も強みです。

商談前後のデータ活用

商談前にはWeb閲覧履歴や過去接点情報を確認し、商談後には議事録、次回アクション、失注理由を蓄積します。これにより、担当者が変わっても引き継ぎしやすくなり、勝ちパターンの分析にもつながります。データは入力量より活用目的を優先して設計することが重要です。

営業とマーケティングの連携

営業とマーケティングが分断されていると、獲得したリードの質や温度感が共有されません。たとえば、セミナー参加後7日以内に接触した案件の商談化率が高いなら、その条件を共通ルール化できます。部門間で定義をそろえることが成果改善の前提です。

自社に合うツールと運用体制の選び方

自社に合うツールと運用体制の選び方
自社に合うツールと運用体制の選び方

dxオンライン営業で使う主なツールには、Web会議、SFA/CRM、MA、BIなどがありますが、役割はそれぞれ異なります。Web会議は接点づくり、SFA/CRMは案件・顧客情報管理、MAは見込み顧客育成、BIは分析支援に向いています。ここで重要なのは、機能比較だけで選ばないことです。たとえば営業10人規模の企業が、多機能だが入力設計の重いシステムを導入すると、現場が使いこなせず定着しないことがあります。逆に、案件数が多く複数部門で引き継ぎがある企業では、最低限の管理機能では不十分な場合もあります。企業規模、営業体制、既存システム、運用できる人員を踏まえて選定し、導入後に誰が管理し、誰が教育し、どこで改善するかまで含めて体制設計することが欠かせません。

ツール選定で見るべきポイント

見るべきポイントは、課題との適合性、入力負荷、連携性、レポートの見やすさ、権限管理、サポート体制です。たとえば、案件進捗が見えないことが課題なら、商談フェーズ管理がしやすいSFA/CRMが優先です。マーケティング施策が先行しているなら、MA連携のしやすさも重要になります。

現場定着を左右する運用体制

現場定着には、管理者任せにしない体制が必要です。営業企画がルール策定、マネージャーが入力確認、現場リーダーが活用事例共有を担うなど、役割を分けると運用が安定します。導入研修を一度行って終わりにしないことも重要です。

dxオンライン営業のKPI設計と改善方法

dxオンライン営業では、商談数だけでなく、どの工程で歩留まりが落ちているかを把握できるKPI設計が重要です。見るべき指標は、活動量、プロセス、成果の3層で整理すると実務に落とし込みやすくなります。たとえば活動量として接触件数や架電数、プロセスとして商談化率、提案化率、案件化速度、成果として受注率や受注額を見る形です。さらに、失注理由や商談後フォロー実施率など、定性的な改善につながる指標も役立ちます。改善サイクルでは、数字を追うだけでなく、なぜ変化したのかを会議で解釈することが欠かせません。件数目標だけを強く求めると、質の低いアポイントが増え、現場が疲弊する恐れがあります。KPIは管理のためではなく、改善のために使うという前提を共有することが大切です。

見るべきKPIの階層

まず上位にKGIとして受注件数や売上を置き、その下に商談化率、提案化率、受注率、平均リードタイムを配置します。さらに下位には、問い合わせ対応時間、初回接触率、次回アクション設定率などの行動指標を置きます。階層で見ることで、問題箇所を特定しやすくなります。

改善会議の進め方

改善会議では、数字報告だけで終わらせず、良い案件と失注案件を具体的に振り返ることが有効です。たとえば「初回接触が48時間を超えた案件は商談化しにくい」「製造業向け提案は導入事例を添付したほうが受注率が高い」といった示唆を抽出します。会議頻度は週次と月次を使い分けると運用しやすくなります。

失敗しやすいポイントと成功のための注意点

dxオンライン営業で失敗しやすいのは、ツール導入そのものが目的化し、営業プロセスや組織運用の見直しが伴わないケースです。代表的なのは、入力項目が多すぎて現場が使わない、担当者ごとに商談記録の粒度が違う、マーケティングと営業でリード定義がずれている、評価制度が訪問件数重視のままでオンライン活動が評価されない、といったパターンです。これらの背景には、現場の業務理解不足と、導入後の運用責任の曖昧さがあります。成功のためには、最初に確認すべき事項を絞ることが大切です。具体的には、何の課題を解くのか、誰が入力するのか、どの指標で成果を見るのか、対面とオンラインをどう使い分けるのかを明確にします。優先順位をつけずに広げると、現場負荷だけが増えるため注意が必要です。

失敗パターンの共通点

共通点は、目的の曖昧さと運用ルール不足です。たとえば「DX推進のためにSFAを入れる」といった抽象的な方針では、入力基準も活用場面も定まりません。また、マネージャーが数字を見ず、現場も入力しない状態では、データが蓄積されず改善できません。導入前に、最低限の必須項目と活用会議の設計まで決める必要があります。

定着を支える組織面の工夫

定着には、制度と習慣の両面が必要です。たとえば、週次会議でSFAを見ながら案件レビューを行う、成功事例を共有する、オンライン商談の質をロールプレイで高めるなどの工夫が有効です。評価制度も、訪問件数ではなく商談化率や案件進捗の質を反映する形へ見直すと、行動が変わりやすくなります。

よくある質問

Q: dxオンライン営業と単なるオンライン商談の違いは何ですか?

オンライン商談は、営業活動の一部をWeb会議に置き換える施策です。一方、dxオンライン営業は、リード獲得、初回接点、商談管理、提案、フォロー、分析までをデータと仕組みで再設計する考え方を指します。違いは、対象範囲と目的にあります。

たとえば、オンライン商談だけを導入した企業では、商談件数は増えても、案件情報が担当者ごとに分散し、受注率が改善しないことがあります。これは、接点の手段だけが変わり、営業プロセス全体が変わっていないためです。対してdxオンライン営業では、問い合わせ後の対応時間、ヒアリング項目、提案テンプレート、失注理由の記録、受注後の引き継ぎまで設計します。

つまり、単なるオンライン商談は「会い方の変化」、dxオンライン営業は「営業の仕組みそのものの変化」と捉えるとわかりやすいでしょう。成果につなげるには、オンライン化した接点をどう標準化し、どうデータとして蓄積し、どう改善に回すかまで考える必要があります。

Q: どのような企業から始めやすいですか?

始めやすいのは、訪問依存が強く、商談数や営業効率に課題があるBtoB企業です。特に、問い合わせ対応、初回ヒアリング、既存顧客フォローなど、比較的オンライン化しやすい工程がある企業は着手しやすい傾向があります。

たとえば、営業担当者が1日中移動している一方で、初回面談は情報交換が中心という企業では、最初の接点をオンライン化するだけでも稼働の使い方が大きく変わります。また、展示会やWeb経由のリードはあるのに、追客が属人的で商談化しない企業も、インサイドセールスやSFA/CRMの活用で改善余地が見えやすいでしょう。

ただし、すべての企業が同じ速度で進められるわけではありません。顧客が対面を強く求める業界、高額かつ長期の関係構築が中心の営業では、全面的なオンライン化は適さない場合があります。まずは一部工程から始められるかを基準に判断するのが現実的です。

Q: ツールは何から導入すべきですか?

最初から多くのツールをそろえるより、課題に直結するものから導入するのが基本です。選び方の出発点は、営業現場で何が詰まっているかにあります。

たとえば、案件管理が曖昧で、誰がどの案件をどう進めているか見えないなら、SFA/CRMの優先度が高くなります。商談機会そのものが不足しているなら、Web会議ツール単体よりも、インサイドセールス体制の整備やMAとの連携を含めて考えたほうが効果的です。問い合わせはあるのに初回対応が遅い場合は、担当アサインのルールや通知設計のほうが先に必要かもしれません。

重要なのは、ツールを増やすことではなく、営業課題を解決することです。導入後に現場が入力できるか、会議で活用できるか、既存システムと連携できるかまで確認し、最小構成で始めることをおすすめします。

Q: オンライン営業では対面営業は不要になりますか?

不要になるとは限りません。オンライン営業が有効なのは、初回接点、定例打ち合わせ、簡易デモ、進捗確認など、短時間で情報整理しやすい場面です。一方で、高額案件の最終提案や、複数の意思決定者を巻き込む重要局面では、対面のほうが信頼形成や合意形成を進めやすい場合があります。

たとえば、数十万円規模の定型サービスであれば、初回から受注までオンライン完結できることもあります。しかし、数千万円規模のシステム導入や設備投資案件では、現場確認、役員同席、部門横断の調整などが必要になり、対面の価値が高まります。

現実的なのは、オンラインと対面を役割分担する考え方です。初回接点や中間フォローはオンラインで効率化し、重要な提案や最終局面は対面で深めるという設計にすると、効率と受注率の両立を図りやすくなります。

Q: KPIは何を見ればよいですか?

見るべきKPIは、活動量だけでは不十分です。商談化率、提案化率、受注率、案件化までの期間、失注理由など、プロセスごとの指標を見ることが重要です。どこで歩留まりが落ちているかを把握できる設計にすると、改善施策につなげやすくなります。

たとえば、問い合わせ件数は多いのに商談化率が低いなら、初回接触のスピードやヒアリング品質に課題があるかもしれません。商談数は十分でも受注率が低いなら、提案内容、競合比較、案件見極めの精度を確認する必要があります。案件化までの平均日数が長い場合は、次回アクション設定や社内承認フローも見直し対象になります。

また、数字だけを追うと現場が疲弊しやすいため、KPIは数を増やしすぎないことも大切です。まずは売上に近い指標と、ボトルネックに直結する指標を数個に絞り、会議で継続的に見られる設計にするのが実務的です。

Q: 現場に定着しない場合はどうすればよいですか?

定着しない原因として多いのは、入力負荷が高い、目的が共有されていない、評価制度と連動していない、管理者が活用していない、といった点です。単に「入力してください」と伝えるだけでは、現場は忙しい業務の中で優先順位を下げてしまいます。

改善策としては、まず運用ルールを絞ることが重要です。たとえば、最初は必須入力を「案件名」「商談フェーズ」「次回アクション」「失注理由」程度に限定し、入力の意味を明確にします。次に、マネージャーが会議でそのデータを使い、入力すると案件支援に役立つ実感を持たせます。

さらに、小さな成功事例を作って展開するのも有効です。あるチームで、初回接触時間の短縮により商談化率が上がったといった成果が見えれば、他チームも取り組みやすくなります。定着は一度の研修で完了するものではなく、使う理由と使う場面を組織で作り続けることが重要です。

まとめ

dxオンライン営業は、オンライン商談ツールを導入することではなく、営業プロセス全体を再設計し、データに基づいて改善できる体制をつくる取り組みです。BtoB営業では、顧客の情報収集行動の変化や営業生産性への要求の高まりにより、訪問中心のやり方だけでは成果を伸ばしにくくなっています。

そのため、まずは自社の営業課題を整理し、どの工程がボトルネックになっているのかを見極めることが重要です。商談数不足なら初回接点やインサイドセールス、受注率低下なら提案設計や失注分析、属人化ならSFA/CRMによる標準化といったように、課題起点で優先順位をつける必要があります。

また、ツール選定では機能の多さより、現場が使い続けられるか、会議で活用できるか、改善につながるかを重視してください。小さく始めて成果を確認しながら広げる進め方が、定着と失敗回避の両面で有効です。

自社の営業課題を整理し、dxオンライン営業で優先的に見直す工程をまず1つ決めてみてください。

この記事の監修者

smartsales株式会社
smartsales株式会社
AI営業、フォーム営業、営業リスト作成、BtoBマーケティング、営業DX / 営業代行

100万件以上の営業リストを保有し、AIを活用したフォーム営業サービスを提供する営業支援チーム。上場企業を含む累計200社以上の支援実績があり、月間数百件規模のアポイント創出を安定的に支援している。 AI領域を得意とするエンジニアがプロダクト開発を担い、中小企業診断士をはじめとする経営コンサルタントも在籍。営業リストの設計、フォーム営業の自動化、営業文面の改善、アポイント獲得率の向上など、BtoB営業の実務に即した知見をもとに情報発信・監修を行っている。

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